2021/9/24
がんに再生医療。細胞間を行き交う「短いRNA」に注目せよ
コロナワクチンで使われているのは、タンパク質の「設計図」であるメッセンジャーRNA(mRNA)だった。
だが本特集の第1回でも紹介したように、RNAにはmRNA以外にも様々な種類がある。
中でも注目されているのが、「マイクロRNA」と呼ばれる、とても短いRNAだ。
細胞内で遺伝子の働きを調節する働きがあり、細胞同士の「コミュニケーション」でも活躍しているという。
最近では、がんの転移にも深く関わることがわかってきた。
がんの診断や治療、さらには再生医療など、幅広い医療応用が期待され、世界中で産業かも見据えた研究開発が進んでいる。
マイクロRNA研究の第一人者、東京医科大学の落谷孝広教授が解説する。
INDEX
- 細胞間のコミュニケーション・ツール
- 「分身」を送り込むがん細胞
- 少量の血液でがんを発見
- 新発想でがんの転移を防ぐ
- 薬を届ける「ミルクエクソソーム」
- 次世代再生医療にも注目
- 共生細菌からも放出される