半導体不足がさらに悪化、リードタイム長期化-8月は過去最長21週間
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最近、半導体不足がなぜ解消するどころかもっと深刻になっているかを考えている。ただ、答えは出ていない。
半導体は生産開始から実際にできるまで数か月かかるという時差がある。またそこに材料や部品モジュール、最終製品での在庫サイクルや受注と実際のタイムラグがある。そこにキャパ増投資がされるが、装置やウエハの供給を増やすにも時間がかかり、時差を伴って供給過多になる。
これがシリコンサイクルと言われ半導体の好況・不況のサイクルを過去作ってきた。
具体で今回について見ると、昨年末から車載中心に不足が話題になり始めた。これは、コロナで需要がいったん消えたが、すぐ回復した。この需要の読み違えで一旦発注が止まり、またその後の回復サイクルはリモート特需などで電子機器などが早く、キャパが確保できていなかったなどもある。時間で解消するタイミングの話と、中長期的なキャパ増の話が主。
自動車サプライチェーンが止まることの影響は大きいので、政府レベルの課題になった。車載半導体は枯れた技術が多く、装置もそう簡単には手に入らない。それが既知だが、春時点では「解消がいつになるか」という話が中心だったように思う(感じている)。
そしてここ1-2か月で、自動車メーカーの減産含めて、深刻化している印象。なぜなのか?
今回の危機を受けて、在庫をもっと持ちたいという話がある。でもこれは短期には関係ない。「今すぐ持ってこい」というモードの中で在庫なんか貯めるはずなく、そこを処理しながら生産量を増やして、バリューチェーン全体で在庫を持つ(一方でこういう在庫は不況の時に悪さをするのだが…だから難しいし、在庫の価格変動や受注の確度はだれの責任になるのかという議論に発展する)。
最近の変化で言うと、後工程を担っているアジア各国でのロックダウンもある(下記)。そこがキーかと思ったが、よく考えるとコロナが抑えられてくれば回復するはずで、今のトーンはそんな感じではない。一要因ではあるが、ここまで深刻化している主要因とはあまり思えない。
色々なニュースが出ているが、答えが出てこないのは、それだけサプライチェーンが複雑という現実があるのだと思う。そしてそれは需給ひっ迫にもつながれば、ジャブジャブにもつながる。シリコンサイクル、どうなるか。
https://newspicks.com/news/6206778