2021/9/30

【文化人類学】今日からできる「参与観察」のすすめ

COTEN深井龍之介さんがホストを務め、リベラルアーツについて語りながら、世界をとらえ直していく連載対談「a scope」。
文化人類学者で九州大学准教授の飯嶋秀治さんをゲストに迎えた前回は、常識が覆るような文化人類学特有の視点や、ハードな研究実態が語られた。
後半となる今回は、ビジネスや生活で活用されている最新の文化人類学とともに、誰でも身近なところで「参与観察」を楽しむための事例を紹介する。
本企画はPodcastで「完全版」を無料配信します。深井さんと飯嶋さんの対談を全4回で配信。第1回第2回第3回第4回はこちらからお聞きください。

また、AppleSpotifyをはじめ、外部プラットフォームでも配信いたします。ぜひともフォローください。
INDEX
  • 自然災害からコロナ、宇宙まで
  • デザイン・エスノグラフィーとは何か
  • 会議も文化人類学的に観察できる
  • 誰でもできる「プチ参与観察」

自然災害からコロナ、宇宙まで

──前回、文化人類学とはどういう学問なのか、フィールドワークでは具体的にどんなことをするかなどをお聞きしました。
深井 今回は、最新の文化人類学ではどういう研究がされているのかを伺いたいです。
飯嶋 簡単に前回のおさらいをすると、文化人類学はマリノフスキーという学者が約100年前に確立した学問で、参与観察(フィールドワーク)とエスノグラフィー(観察したものの記述)の2つの手法から成り立ちます。
別の文化の内側に入っていき、今まで当たり前だと思っていた自分たちの文化を外側から見る「インサイド・アウト」の手法をとることで、それまでの常識から自由になり、自文化を相対化することができます。