[北京 19日 ロイター] - 資金繰り難に陥っている中国の不動産開発大手、中国恒大集団は、理財商品の投資家に不動産での返済を開始した。同社の部門が明らかにした。

3000億ドル超の負債を抱える中国恒大は、流動性危機に直面。金融機関やサプライヤーへの支払いに向けた資金調達に追われている。23日には8350万ドルの社債利払いが期日を迎える。

同社の部門は対話アプリ「微信(ウィーチャット)」への18日の投稿で、現物資産との交換による理財商品の償還に関心のある投資家に対し、投資コンサルタントに連絡するか、地元オフィスを訪れるよう案内した。

金融ニュースの財新が19日に報じたところによると、中国恒大の理財商品の残高は推定400億元(60億ドル)。これらの商品は一般的に個人投資家が保有している。

顧客サービス担当者が19日にロイターに語ったところによると、具体的な支払い方法や詳細については、現地の状況に応じて決定されるという。

ロイターが先に入手した情報では、理財商品の投資家は返済の代わりに割引されたアパート、オフィス、小売スペース、駐車場を選択できる。中国恒大はこれについては確認していない。

同社は10日、期日を迎えた理財商品の全てについて、可能な限り早期に償還を行うと表明していた。