2021/9/21

【小倉ヒラク】日本で唯一「発酵デザイナー」を名乗る男

酒やチーズ、納豆などの食品から洗剤、さらには抗生物質などの医薬品まで…。発酵の作用は広く利用されている。地球の生態系を支えているのも発酵で、それなしでは、私たちの生活は成り立たない。

しかし、私たちは発酵についてよく知らない。身近にあり、重要な存在ながら、微生物は目に見えないからだ。

そんな目に見えない微生物のナビゲーターとして、発酵文化を世の中に伝え続ける男がいる。発酵デザイナーを名乗る小倉ヒラク氏の半生とともに、発酵の魅力に触れていこう。
INDEX
  • 「発酵デザイナー」を名乗る男
  • 「発酵と腐敗」は何が違うの?
  • きっかけは「体調不良」から

「発酵デザイナー」を名乗る男

皆さんはじめまして、小倉ヒラクです。僕の肩書は、発酵デザイナー。いきなり妙な肩書を聞いていぶかしんだ方もいるかもしれません。
そもそも、発酵ってなんだ?
化学的に説明すると、発酵とは微生物がエネルギーを得るために行う代謝であり、その過程で有機物を分解する活動です。
と言われても、あまりイメージは湧きませんよね。それもそのはず、微生物は(その名の通り極小で)目に見えないため、発酵を視覚的に捉えられないからです。
ところが目に見えない一方で、発酵は僕たちの生活に、さまざまな恩恵を与えてくれています。