ミャンマー国軍、為替相場の管理策を撤回 二重相場で混乱、通貨急落

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注目のコメント

• 川端 隆史

  ジョーシス株式会社 シニアエコノミスト

  ・2021年09月18日

  僅か一カ月で管理フロート制が廃止。管理フロート制導入時点で、闇相場に流れる危険性と管理フロート制の効果への疑問については、所属先で定期配信を担当している「ミャンマービジネスリスクウォッチ」でも早い時点で指摘しており、実際にそうなりました。
  
  他方、なぜ、一か月間でこのような迷走があったかと考えれば、無理は承知で導入してみたという実情がありそうです。チャットが下落基調から反転する要因はなく、中銀は断続的に米ドルをオークション方式で市場に放出して為替を支えようとしてきましたが、下落基調は止まらず。特に8月は１億米ドル以上を売却しています。
  
  せめてもの評価をすれば、１カ月で早々と管理フロート制を廃止したこと自体はプラスだと思われます。仮にこのまま続けて入れば、公定と闇の相場の乖離はひどくなり、為替や送金が公式なルート以外へと流れます。
  
  管理フロート制撤廃後はわずかながら相場は反発しましたが、短期・中期では１月の１３００チャット台に戻れるような要素は、まったく見えません。