[コペンハーゲン 16日 ロイター] - デンマークの海運大手A.P.モラー・マースクのソレン・スコウ最高経営責任者(CEO)は16日、高騰する海上運賃相場が年内に頭打ちになる兆しは見られないとの見方を示した。

同社はこの日、2021年の業績見通しを再び上方修正した。世界的なサプライチェーン(供給網)の混乱に起因する運賃急騰を反映している。背景にあるのは新型コロナウイルス禍の旺盛な巣ごもり消費で、コンテナ船が不足し、港湾が混雑するといった物流の混乱が生じている。

スコウCEOはロイターに「当社のデータでは状況が年内に変わるという兆候は全く示されていない」と説明。今年の世界の貿易量は2020年比で7─8%増加すると予想した。

「非常に強い最終消費者需要と在庫補充の動きを確認しており、港湾や倉庫、船舶はコロナが原因で全面稼働していない」と指摘した。

現在、世界のコンテナ船の輸送能力の9─10%は、陸揚げのために入港を待っている状態だとした。コンテナ船約60隻が入港待ちとなっている米カリフォルニア州ロサンゼルスのロングビーチ港が特に混乱が大きいと述べた。

同社は通年の調整後利払い・税引き・償却前利益(EBITDA)見通しを220億─230億ドルと、従来の180億─195億ドルから引き上げた。