(ブルームバーグ): ソフトバンクグループの孫正義社長は15日、通信子会社ソフトバンクがオンラインで開催した法人向けイベントで講演し、日本経済復活の鍵は人工知能(AI)で学習する「スマートロボット(スマボ)」だと述べ、積極的な導入で将来的に日本の労働人口は10億人になることも可能との見方を示した。

孫社長は、これまでも日本のロボットは自動車や織物産業など世界で活躍してきたが、人がプログラミングし、決まった動きしかできない「ガラケーロボット(ガラボ)」だったと指摘。米アップルのiPhone(アイフォーン)の登場で日本でもガラケーからスマートフォンの時代に一瞬で変わったように、臨機応変に動くスマボは今後あらゆる産業で使われていくと予想した。

孫社長によると、労働時間が1日8時間、週5日に限定された人間と違ってスマボは24時間、365日稼働できるため、労働時間は3倍、生産性は3.5倍となり、双方を乗じた競争力は10倍になるという。

ソフトバンクGでは現在、ビジョン・ファンド1号と2号、ラテンアメリカファンドの3本を通じてAI企業301社に投資している。孫社長は、「世界の未上場AI企業の資本調達額の1割を提供している」ことを明らかにした上で、AI関連投資の資本家として「圧倒的ナンバーワン」だと述べた。

同社長によれば、投資を通じて「18社のスマボ企業集団をつくった」といい、この中にはアジャイルロボッツやキーンオンロボティクスなどが含まれる。

 

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