[ブバネーシュワル(インド) 14日 ロイター] - インドの公的研究機関は、新型コロナウイルスワクチン接種を完了した国内の医療従事者614人を対象とする研究で、1回目の接種から4カ月以内に抗体量が「大幅に」減少する結果が示されたと発表した。

研究結果は、インド政府がワクチンの追加接種(ブースター接種)を行うかどうかを判断する際の材料となる可能性がある。

研究を実施したインド東部の都市、ブバネーシュワルを拠点とする「地域医学研究センター」のサンガミトラ・パティ所長は、抗体が弱まっても、記憶細胞が防御機能を働かせる可能性があるため、コロナ感染症への抵抗力を失うことを必ずしも意味しないと指摘。

パティ氏はロイターに「ブースターが必要かどうかや、いつ必要になるかについては、今から6カ月後により明確なことを言えるようになるだろう」と述べ、インド全域のデータを得るために異なる地域での研究を呼び掛けた。

英国の研究者らは先月、米ファイザー/独ビオンテックおよび英オックスフォード大学/英アストラゼネカの新型コロナウイルスワクチンの2回接種による保護効果は6カ月以内に弱まり始めるとの分析結果を示した。

インドの研究結果は査読前の論文としてリサーチ・スクエアに掲載された。インドで主に使われている、アストラゼネカのワクチンを国内でライセンス生産した「コビシールド」と国内で開発された「コバクシン」を対象とする研究はまだあまり行われていない。

インド当局はブースターに関する検証も行っているが、国内の9億4400万人の成人のワクチン接種を完了することが優先事項だとしている。現時点で接種対象の6割強が少なくとも1回目の接種を済ませ、19%が2回目まで完了している。インドの足元のコロナ感染者と死者は5月初旬のピークを大幅に下回っている。