2021/9/14

【坂野晶】世界を動かすのは「地道な活動」の積み重ねだ

ライター&エディター
21世紀の課題である「ごみ」問題。日常であまり意識する機会は多くないが、私たちが排出したごみの処分は、環境に負荷をかけている。

そんな課題の解決に取り組むのが、坂野晶氏だ。「ゼロ・ウェイスト」を自治体として日本で初めて宣言した徳島県上勝町で、ごみの削減に取り組んできた若きリーダーだ。

坂野氏が理事長を務めていたNPO法人「ゼロ・ウェイストアカデミー」は世界から注目を浴び、自身は2019年のダボス会議で共同議長の一人に選出された。坂野氏の経験とともに、ごみ問題の未来を考えてみたい。
INDEX
  • 「ごみ問題」に解決策を
  • ごみを「45種類」に分類
  • 小さな活動が「世界を変える」

「ごみ問題」に解決策を

皆さんは、毎日のごみをどのように処理していますか。
「燃やせるごみ」「燃やせないごみ」、それからペットボトルや古紙といった「資源」などを自治体のルールに沿って集積所に出すというのが一般的でしょうか。
ルールにしたがってごみを出しているのだから、それで問題はないと考えられるかもしれません。
しかし実は、そうしたごみの廃棄方法はもはやサステナブルではありません。
日本人の多くはおおよそ5種類以上の分別に慣れ親しんでいますが、日本の平均リサイクル率は20%以下。
残りの約80%のごみは収集車が焼却場に持っていき、焼却されたごみから二酸化炭素が排出されるからです。
この問題の解決策を、なんとか見いだせないか。
そんな思いを抱きながら、私は2015年から約5年にわたり、徳島県上勝町のNPO法人「ゼロ・ウェイストアカデミー」で理事長を務めてきました。