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債務上限問題、財政の問題というよりは政治的駆け引きの道具として定期的にやってくるチャレンジステージのようになってきているな…。特にバイデン政権の大規模支出プログラムを巡る政争のまっただ中なので、なおのこと意味が大きくなる。
夏の集中講義でちょうど、暫定予算すら間に合わない場合の政府閉鎖や、債務上限引き上げ問題に伴う債務不履行やデフォルト危機を扱ったタイミングでした。普段日本政治を学ばれている学生さんにとっては議会内での交渉が新鮮なようでしたが....

アメリカの議会では財政を人質に取った予算案の駆け引きが恒例となってきていますが、米国債の格付引き下げなどにも繋がっています。政府閉鎖自体は近年では2013、2017、2019年に。債務上限について激しかったのは財政保守派のティパーティが議会を押さえた2010年代オバマ政権期。その後成立して近年棚上げされていた厳しい均衡予算としては2011年予算統制法など。
米国は政府が借金できる額の上限が決まっており、朝日新聞のデータベース記事をみると世界でも珍しいそうです。借金の上限を引き上げることは政府の歳出規模を大きくすることとイコールなので、当然民主党と共和党の間で政治日程もからめた綱引きが起きます。妥協が成立せず、実際に政府機関の閉鎖に至ったのは2013年の例があります。政府職員が自宅待機になったり、観光施設が閉鎖されたりしました。
債務上限問題はかつては全く政治化するようなものではなかったのですが、激しい分極化でここ10年は政治論争。「財政の崖」をめぐる2012年末の議論が象徴的。
九月はこの債務上限問題、3.5兆ドルのインフラ法案、10月から始まる新年度予算、と課題山積の中、与野党の攻防がバイデンがアフガンで躓いたこともあり、激しくなっています。まあ、ヒヤッとする局面が瞬間的にあっても、債務上限は最後は問題なく通過するでしょうね。ただし、その交換条件ととして、与党は何かを引っ込めないといけなくなると思います。
連邦政府の債務上限について、イエレン氏が議会指導部に宛てた書簡で、「いつまで資金繰りを工面できるかは不透明だが、10月中に手元資金が枯渇する可能性が高い」と指摘しているそうです