【深刻】医療ベンチャーの成長を阻む「セラノス事件」の後遺症
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この分野は特に詳しくないのですが、例えばこちらのHBRの記事によると、男性と女性の起業家ではVCから受ける質問に違いがあり、そのため投資額にも差がつく可能性がある、とのこと。
https://www8.gsb.columbia.edu/cbs-directory/sites/cbs-directory/files/publications/H03QHY-PDF-ENG.PDF
元のフル論文ではもう一歩突っ込んで、女性が受けやすい preventionにフォーカスした質問にpromotionにフォーカスした答えを返すことで女性の起業家も投資額を増やすことがでたそう。
https://journals.aom.org/doi/abs/10.5465/amj.2016.1215
リーダーシップの研究などでも、女性らしさと典型的なリーダー像が一致しないがゆえの女性リーダーの苦労が指摘されています。起業家でも同じようなことがいえそうです。つまり、アグレッシブで自信に満ち溢れた成功する起業家のイメージは典型的な「女性らしさ」と相いれないため、女性の方が起業家として評価されるのが難しい、ということはあるのではないでしょうか。
よいデータがあったら、研究したら面白そうです。
注目のコメント
やや偏見に過ぎるNYタイムズ記事。ホームズという1人の女性起業家による詐欺事件があったから全ての女性起業家がVCから疑われて資金調達が滞っている。基本的にはそう書いてある。
そんなわけはないだろう。あるとしたら正しい方向でより丁寧にデューデリジェンスを行うという事はあるかもしれない、ただそれは女性起業家の場合には限らないだろうし、また逆にいつの何時でも愚か者はいるもので極小数の例外投資家が不用意に女性に対する偏見を含む発言をするケースはあるのかもしれない。
裁判でホームズは、当時男女関係にあった同社幹部の男性に精神的に操られていたという証言をして話題となっている。そのような精神疾患を疑うべき異常な人格の持ち主でごく例外的な事件をもって、全VCが全女性起業家を疑うという状況は、逆にこれだけポリコレ極まる現代において考えずらいだろう。当時セラノス凄いなと感心していたのを思い出します。理念や完成させたがった技術が革新的であったことは間違いないと思いますが、どこかでボタンの掛け違いが生じ、引けなくなったんだと想像します。
ただその後の展開は残念ですね。精神疾患においやられたと主張し、当時は操られていたといった発言もありました。罪から逃れるための法廷ドラマを見ているようでした。
映画“Catch me, if you can“ではレオナルド・ディカプリオは見事にエセ医師として窮地を切り抜けていましたが、どうもホームズの姿と重ねてしまう。“fake it until make it”がいつまで続くのか、そしてどれが本当の彼女の姿なのか。セラノスの裁判で彼女が陪審員の目にどのように映るのかに注目しています。セラノスのせいで「女性」起業家が怪しく思われる???
そうやって他人の、過去起こった事象のせいにしている限り、男であろうと女であろうと起業家として成功することはあるまい。
評価されずに苦しいのは、起業家全員同じだ。
なぜなら起業家は「今は世の中にはないなにか」を様々な障害を乗り越えて創る者だからだ。
それがいやなら起業家になるべきではない。