授乳中の母親がmRNAワクチンを接種すると、母乳中にmRNAワクチンは検出されるか?
小児アレルギー科医の備忘録
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授乳中の薬剤には、母親はどうしても気になるものです。
mRNAワクチンに関しては、『推奨される』ワクチンとして位置づけられるようになっています。
なぜならば、母親自身の新型コロナへの感染リスク・重症化リスクを減らすからです。
良く混同される点として、
『mRNAワクチンを接種して、その成分が母乳中にmRNAが検出されること』と
『mRNAワクチンを接種したあと母乳中にウイルスに対する抗体が検出されること』
はまったく異なるということです。
母乳中の分泌型IgA抗体などが、赤ちゃんを感染症などから守るという報告などからいわれていることはよく知られています。
▷Jelliffe DB, Jelliffe EF. Breast milk and infection. Lancet 1981; 2:419.)。
そして、母親にmRNAワクチンを接種すると新型コロナに対するIgA抗体やIgG抗体が、接種後6週間にわたって母乳中に分泌されることが示されています。
▷ JAMA 2021; 325:2013-4.
つまり、母親へのワクチン接種は、子どもを新型コロナから守る『可能性』があるといえます。
では、授乳中の母にmRNAワクチンを接種するとして、母乳中にmRNAは検出されるほど分泌されるのでしょうか?
最近のJAMA Pediatrics誌の報告を共有します。