2021/8/22

【教訓】メンバー全員退職×2回。元DJ経営者のしくじり物語

DMM.com 取り仕切り役 会長
DMMの亀山敬司会長がホストを務める「亀っちの部屋」Season2。今回はゲストに、バニッシュ・スタンダード代表の小野里寧晃氏を迎える。
同社は「STAFF START」というサービスを運営。店舗とEC(ネット通販)を融合したサービスで、販売員は店舗だけでなくデジタル上でも“接客”でき、ECでの売り上げも人事評価に反映される。
ECの普及により店舗で物が売れにくくなった現代にあって、販売員のモチベーション維持に大きく寄与。
2016年のサービス開始以来、毎年約3倍の成長を見せ、現在の年間流通総額は1200億円に。アパレルをはじめ、化粧品、食品販売など約1600のブランドが導入している。
いまや急成長スタートアップの経営者としてメディアに取り上げられる機会も増えた小野里氏だが、亀山氏との対談では、過去の失敗談が次から次へと飛び出す。中には思わず突っ込みたくなるものも。
「失敗は成功の母」といわれる。小野里氏の貴重な失敗談から学んでいこう。
*音声版は前後編で配信します。こちらからお聞きください【前編】【後編
INDEX
  • 「店舗は売れない」の常識を覆す
  • 上場すべきかどうか、迷い中
  • IT企業に入社も、1年間そうじ要員
  • 起業後、2回も「一人ぼっち」に
  • 「得意」に集中したら、結果がついてきた
  • 極めつきの「ぼったくられ体験談」

「店舗は売れない」の常識を覆す

──今日は、バニッシュ・スタンダード代表の小野里寧晃さんにお越しいただきました。亀山さんとのお付き合いは長いんですか。
小野里 亀山さん行きつけの、六本木のアワバーでお会いしたのが最初です。もう7年くらい前ですかね。1人でレモンサワーを飲んでたら、隣の人がすごくフランクに「おまえ何やってるの?」って話しかけてくれて。それが亀山さんでした。
当然、亀山さんの顔は知らないじゃないですか。後から近くの人に「あれDMMの亀山さんだよ」って言われて、「え!まじかよ」って。それから少しずつお話しするようになった感じです。
亀山 しばらく会わないうちに、ビッグになったね。最近はテレビにも出たって聞いたよ。
小野里 テレビ東京の「カンブリア宮殿」や「ワールドビジネスサテライト」で取り上げてもらいました。
亀山 すごいじゃない。俺も出たことないのに。
小野里 亀山さんは顔を出さないじゃないですか(笑)。
亀山 じゃあ何で注目されてるのか、教えてよ。
小野里 「STAFF START」という、店舗スタッフの業務をオンライン化するサービスをやってます。店舗スタッフって、従来は店に立って接客するのが仕事ですよね。それを、ECサイト内でも“接客”できるようにしたサービスです。
アパレルブランドのECサイトで、店舗スタッフが商品を着て「150センチ、Sサイズ」とか書いてるのを見たことありませんか?
今までの通販は身長170センチの、スタイルのいいモデルさんが着るのが当たり前だったけど、女性の多くは170センチもないですから、買いにくいですよね。
小野里 寧晃(おのざと・やすあき)/株式会社バニッシュ・スタンダード 代表取締役社長
1982年、群馬県に生まれる。2004年、大手Web制作会社に入社し、EC事業部長として主にアパレル企業などのECサイト制作に従事。2011年、株式会社バニッシュ・スタンダードを設立。「店舗を存続するEC」を目指し、2016年に店舗スタッフをDX化させる「STAFF START(スタッフスタート)」を立ち上げる。
亀山 そうだね、現実的じゃない気がする。
小野里 それを店舗スタッフが着てECサイトに登場したら、お客さんの共感を得てすごく売れるようになったんです。コーディネイト例を載せたり、商品レビューを掲載できたりと、サービスにはいろんな機能があります。
サービスを立ち上げたのは2016年ですが、コツコツやっていたら導入してくれる会社が増えて、今は1600ものブランドに利用されています。業種はアパレルだけじゃなくて、化粧品やワイン販売店など多岐にわたります。
〈導入企業の一例〉
【ファッション】
ベイクルーズ、オンワード、アダストリア、アオキなど
【化粧品】ポーラ、コーセー、ロクシタンなど
【その他】エノテカ(ワイン販売)など
毎年3倍のスピードで成長していて、2020年6月〜2021年7月の年間流通総額は1200億円になりました。