2021/8/23

【提言】東京パラリンピックが日本にもたらすべき「転換」

コンサルタント(元NewsPicks記者)
8月24日から始まるパラリンピック。本日はそれに先立ち、2018年12月9日に公開したインタビュー記事を再掲します。
「東京のパラリンピックは、世界最高のものになると思います」
国際パラリンピック委員会(IPC)の最高マーケティング広報責任者を務める、クレイグ・スペンス氏はそう語る。
パラリンピックといえば、2012年のロンドン大会で、チケットの販売数が278万枚に上り、大きな盛り上がりを見せた。実はすべてのチケットが完売したのは、ロンドン大会が初めてだった。
その功績の要因は何なのか。そして、ロンドン大会に携わったスペンス氏が、東京大会にそれほど期待する理由は何か。
NewsPicks 編集部は、来日したスペンス氏を直撃した。

「ビジョンの共有」で成功

──ロンドンパラリンピックは、チケットが完売するなど、大成功しました。
スペンス 成功の要因は、すべての関係者が「パラリンピックのイメージを変える」という、共通のゴールに向かったためです。
大会前までは、障害のある人に対して過剰に同情する傾向が、少なからず社会にありました。しかし、組織委員会、スポンサー、放送局の努力によって、この「同情」が「リスペクト」に変わりました。