中国シノバックのワクチン、接種後に顔面まひのリスク上昇=研究
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研究は、香港でコロナワクチン接種された方の追跡調査データを用いて実施されています。手法は、Nested Case-Control (NCC)と呼ばれる分析対象を絞ったコホート研究(比較対象群の背景因子を揃えて解析する研究方法)で行われています。統計的な精度・検出⼒を保持しつつ、研究のコスト・労⼒を大幅に節減する目的として開発された研究デザインのため、コホートにおける一部の対象者のみが解析対象となっています。
香港でのベル麻痺のバックグラウンド発生率は、過去10年間で10万人年あたり約27例であり、10万人年あたり15〜30例の世界的な推定値と非常によく似ているとしているなかで、ベル麻痺の相対リスクはCOVID-19ワクチン投与後、バックグラウンド集団よりも1.5〜3倍高いとのことです。
臨床的に確認されたベル麻痺の発生率は、シノバック社製では10万回投与あたり3.61例(95%信頼区間 2.40–5.21)、ファイザー社製ワクチンの場合は10万回投与あたり2.04例(同1.16–3.31)で、シノバック社製ワクチン接種後のベル麻痺のリスクが全体的に増加していることを示しながら、ファイザー社製ワクチン接種後はそうではなかったとのことです。(ただし、別の研究でmRNAワクチンでベル麻痺のリスクが増大する報告はあるそうです)
ベル麻痺は免疫化後のまれで、一過性の有害事象でもあり、一般にベル麻痺症例の90%以上は、副腎皮質ホルモン剤の迅速な治療で9か月以内に解決することができることから、不活化ワクチン(シノバック社製)の有益で保護的な効果はベル麻痺のリスクをはるかに上回ると書かれています。
ワクチン接種後の患者におけるベル麻痺のメカニズムは不明ですが、ある仮説はベル麻痺の引き金を自己免疫現象と関連付けています。
なお、Nested Case-Controlで解析に使われた症例は1500例程度しかなく、論文中に書かれている通り、追加の研究が必要との印象を受けます。
ソースは著名な医学雑誌「The LANCET infectious disease」に掲載された論文です。
https://www.thelancet.com/journals/laninf/article/PIIS1473-3099(21)00451-5/fulltext
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