福徳岡ノ場の噴火警報を切替 新島の出現を確認
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福徳岡ノ場とはずいぶん言いにくい名前だなという印象をもつ火山ですが、どうやら「岡ノ場」で海山を意味する漁師の言葉が由来のようです。大きくは硫黄島を含む硫黄列島に属する火山で、南硫黄島と同じ火山体でカルデラを形成しており、そのうち一つの噴火口であるという捉え方が良いように思われます。明治期の発見以来多くの火山活動が観測されており、一時的に新硫黄島と呼ばれるような島を形成するような噴火も観測されています。特に最近では1986年に今回のような大きな噴火を伴う火山活動を見せました。その時にも新島を形成していますが、2か月あまりで波に洗われ消滅しています。
海底が3000mを超えるような太平洋の真ん中での海底火山ですので、その体積は富士山と並ぶような大きな火山であるということもできます。現在拡大中の西之島もそうですが、フィリピン海プレートに太平洋プレートが沈み込む関係で、伊豆諸島からマリアナ諸島にかけては日本の火山帯のように、火山島が並んでいます。
今回も新島の形成は一時的とみられますが、それと合わせて大量の軽石が放出されて海面を漂っています。今後数か月かけて本州などに漂着する可能性もありますので、漁業など関連する産業におかれましては動向に注意が必要です。また、海底噴火だから安心だろうといって近づくと、いわゆる火砕流(ベースサージ)が海面付近を四方に走り、巻き込まれてしまう可能性もあります。安易に接近してはいけません(そこへいく足がない人が大多数とは思われますが)。