地球温暖化、危機的状況 責任は「疑いなく人類」=IPCC報告書
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IPCCには、①温暖化の科学的根拠、②温暖化の影響、③温暖化の対策を話し合う3つの作業部会があります。今回の報告書は①からで、きたるCOP26(今年11月)に向けて出されたものです。
新たに含まれた内容は色々ありますが、個人的に特にショッキングだったのは...
■熱波や激しい降水などの異常気象の激化と頻度の増加を、気候変動と直接的に関連づけることが可能になった。つまり、昨今の猛暑や洪水の増加などが、温暖化の影響であるということが一層クリアに示された(A.3.4-A.3.5)
■0.5度の気温上昇によって、そうした熱波や激しい降水の頻度・強度は、識別可能なほどに増加する(B.2.2)
■これまでCO2を吸収してくれていた陸地や海洋などの吸収源も、吸収量の増加ペースが累積排出量の増加に追いついておらず、今後の実質的な緩和効果は相対的に減っていく(B.4.1)
などの点でしょうか。。
日本では46%減目標に対し「高すぎる、実現不可だ」という見方が強いですが、「温暖化の科学」の側面からみると「低すぎる、これでは温暖化は止められない」と言えるのでしょう。
温暖化のもつ「科学」と「政治」の両側面を適切にバランスするためにも、今回の報告書が国民・経済界に広く読まれ、理解される必要があると思います。今朝の東京の予想最高気温は37度。カリフォルニアや地中海沿岸地域では熱波で大規模山火事が発生。海外メディアを見ていても、異常気象と気候変動の関連性を明確に語る記事が目に見えて増えています。
東京オリンピックの閉会式では参加する国や地域の旗が円環状に並ぶシーンが印象的でした。気候変動はパンデミック以上に国境を超えた協力が必要になります。あのシーンはこれからの世界のあるべき姿を象徴しているようにも見えました。1750年頃以降に観測された温室効果ガス濃度の増加は、人間の活動によって明確に引き起こされたこと。直近40年間、10年ずつ連続的に、それ以前の10年よりも暖かくなり続けていること。過去および将来の温室効果ガスの排出による多くの変化は、数世紀から数千年にわたって不可逆的であり、特に海洋、氷床、地球の海面の変化レベルが顕著であること。
こういった事項が195カ国・地域の代表と著者の間で議論され、承認されたことになります。
日本語要約は環境省Webページにあります。
http://www.env.go.jp/earth/ipcc/6th/index.html
3カ月後のCOP26の議論の土台となるであろうこのレポートですが、いくつかの国はこれと同時に脱炭素に向け決意を新たにした声明を出しており、今後の世界の脱炭素へ目標設定と行動の加速にも寄与すると考えられます。