(ブルームバーグ): 三菱UFJ銀行と三井住友銀行は4日、キャシー松井氏が5月に立ち上げたESG(環境、社会、企業統治)重視型のMパワー・パートナーズ・ファンドに出資すると発表した。

同ファンドは昨年ゴールドマン・サックス証券を退社した松井氏が設立したグローバル・ベンチャー・キャピタル・ファンド。ESG評価を投資先企業の成長戦略に組み入れ支援することで、ベンチャー企業の持続的な成長を実現し、社会課題の解決と経済的リターンを追求することが特徴。目標とする総額は1億5000万ドル(現在のレートで約164億円)という。

松井氏のほか、経済協力開発機構(OECD)東京センター元所長の村上由美子氏、モルガン・スタンレー投資銀行部門などで勤務した関美和氏がゼネラルパートナーを務め、マネジングディレクターにはUBS証券などで勤務経験を持つ鈴木絵里子氏が就任している。

三菱UFJ銀は今回の出資について、環境・社会へのインパクトと経済性を両立させた投資を拡大するため、投資判断の際に経済性と環境・社会インパクトを勘案する「サステナブルビジネス投資戦略」を活用した案件と説明。

三井住友銀は発表文で、社会的課題を解決しようとするスタートアップへの投資を通じてESGの社会実装を担う同ファンドに出資することで、ベンチャーエコシステムの形成を支援し、日本経済の活性化に貢献するとしている。

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