コロナ治療薬レムデシビルの保険適用を承認 中等症や重症患者対象
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レムデシビルは、米ギリアド・サイエンシズが開発した抗ウイルス薬で、世界でエボラ出血熱に用いられていた注射薬ですが、日本では最近まで未認可でした。
2021年5月7日、厚生労働省は、抗ウイルス薬「レムデシビル」を新型コロナウイルス感染症の治療薬として審査期間を短くする特例承認しており、その後すでに臨床で使用されています。
レムデシビルは、新型コロナウイルスによる感染症が示唆される症状で入院中の患者で、酸素吸入を要する方、または人工呼吸器管理がされている中等症・重症者に用いられる医薬品です。新型コロナウイルス感染症患者1062例に対し、無作為化二重盲検比較試験を実施し、28日目までにおける回復までの時間について、レムデシビル投与群で10日、プラセボ群で15日であり、統計学的に有意な差が認められています。
しかしながら、28日後までの観察で、レムデシビル投与群の回復率約75%程度、プラセボ投与群の回復率約70%と大きな差は見られておらず、「回復する方については早く回復させる効果をもつ」医薬品といえそうです。(それ以上の効果はあまり期待できません)
ベクルリー点滴静注用添付文書(PMDA)
https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/62504A3D1025_1_01/
本来は「薬価」が決定しないと保険薬リストに掲載されないため、医薬品の承認が得られていても健康保険を適応する治療では使えません。しかし新型コロナ感染症は「指定感染症」のため、現在は全額政府が医療費を負担しており、「保険適用」および「薬価決定」はあまり意味を持ちません。
今後、もし新型コロナウイルス感染症が指定感染症から外れることになれば保険医療費がかかることになりますが、その算定の根拠になる医薬品の価格として「薬価」が使われます。1日薬価が約6万3千円の医薬品ですので、28日間(29バイアル)投与した場合は180万円を超える価格(保険使用前)になります。
「感染・発症しても治療薬(レムデシビル)があるからよい」と考えず、感染しないような対策をとることが肝要といえそうです。JAMA Netw Open.で発表された解析(1)によると、レムデシビルは死亡率を改善せず、入院日数の延長と関係していると報告している。これは後ろ向き解析と呼ばれるものなのでレムデシビル以外の要素を影響している可能性があるものの、現実世界では目覚ましい効果はないとは言える。しかもとても高価な薬であるため、本当に保険適用をしてもよいかは疑問だ。
やはり基本的な対策を行うべきだし、臨床データでも現実世界でも効果があることが示されているワクチンを真っ先に優先すべきと考える。
(1)https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2781959イベルメクチンはどうなんでしょうね。
インドやブラジルでは新型コロナウイルスに効果があるとも聞きます。
私のいるフィリピンでは値段が安いイベルメクチンを買って使っている人が多いです。
コロナの治療薬として使用するための臨床試験を日本でもおこなってほしいです。