[ワシントン 3日 ロイター] - 米証券取引委員会(SEC)のゲンスラー委員長は3日、、不正行為や投資家のリスクがまん延するなど「ワイルドウエスト(西部開拓時代の無法地帯)」の様相を呈しているとして、暗号資産(仮想通貨)を取り締まる権限の強化が必要と訴えた。

市場には未登録の可能性があるトークンが多数含まれており、価格が操作されやすく、何百万人もの投資家がリスクにさらされていると指摘。「この資産クラスでは、特定の用途において詐欺や不正、悪用がまん延しており、取引や商品、プラットフォームの規制逃れを防ぐために議会の追加権限が必要だ」と述べた。

暗号資産の時価総額は4月に2兆ドルと過去最高に到達したものの、市場の監視はなお完全には行き届いていない。

ゲンスラー氏は、現在SECの管轄外である暗号資産取引所を監督する権限を、議会がSECに与えることを望んでいると述べた。

さらに、暗号資産の融資や、貸し手と借り手が銀行などを介さずに取引できる「DeFi(分散型金融、ディーファイ)」のようなプラットフォームを監督する権限もSECに与えるよう求めた。

「こうした問題に取り組まなければ、多くの人が打撃を受けることになると懸念している」と述べた。

民主党のエリザベス・ウォーレン議員も暗号資産市場の規制強化を求めており、7月にゲンスラー氏に宛てた書簡で暗号資産市場は「非常に不透明で不安定だ」と懸念を示した。