米SEC、中国企業の米上場手続き停止 リスク開示巡り=関係筋
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発表や他の報道を見てはいないが、投資家保護という観点でのSECの行動ではないかと思う。
元々、米国への上場は、米中それぞれの思惑というかが入り混じったもの。VIE(変動持ち分事業体)という構造を利用する。
①の大内さんの記事や②の日経記事も併せてご参照いただきたい。基本的な構造としては、上場するのはケイマンなどタックスヘブンにある企業。その上場会社が中国に保有する外国資本会社を通じて、中国にある実際の事業会社と契約を結ぶことで、株主が受益できる形となっている。
このような形をとるのは、ITや教育などの領域で外資が制限されている一方で、投資家層の広さや税メリットなど含めた現実として外国上場を望む企業が多いから。
ただ、元々外資規制がある領域で、そこの取り扱いが変われば、この構造自体も脆弱性にさらされる。
米中貿易摩擦のなかで、中国当局がもともとIT大手への監視・プレッシャーを強めていた。そのなかでDiDiが上場し、一気にそこが顕在化した形。その文脈や具体のここ数年の動向については、興味がある方は③・④がオススメ。
脆弱性はIT企業だけでなく、教育企業にも出ている。上場企業もあり、またVCなども投資する中で、先週いきなり「非営利団体への転換」が求められた(これはVIE構造ではない現地企業も対象ではあると思うが、外資も多く関わっている、規制次第といった文脈は一連の部分と多く重なると思う)。
①https://newspicks.com/news/5989513
②https://newspicks.com/news/6013098
③https://newspicks.com/news/5994298
④https://newspicks.com/news/6044865
⑤https://newspicks.com/news/6043766
注目のコメント
Kato Junさん、記事のご紹介ありがとうございます。
本件、アメリカの開示項目には3つの柱があり、その一つが「リスクファクター」の開示です。ここは日本基準(日本の上場)にはない項目で、発生可能性のあるリスクを事細かに記載することになります。
そのリスクファクターで重要な中国企業の中国政府による規制リスクは確かに投資家影響も大きく、このような判断になるのは妥当かと思います。アリババやDIDIの運営会社などの最近の事件を鑑みると、妥当な判断。当局に何か指摘を受ける可能性があるなら、開示すべし。
しかし、当事者企業が中国当局から圧力を受ける可能性を事前に察知できるのか?実は企業自身も青天の霹靂なら、リスク開示のしようがない気が・・