英大手企業の取締役会の少なくとも40％を女性に、規制当局が提言

［ロンドン　２８日　ロイター］ - 英金融行動監視機構（ＦＣＡ）は２８日、国内大手企業に対し取締役会メンバーの少なくとも４０％を女性にするよう求めた。また、会長、最高経営責任者（ＣＥＯ）、最高財務責任者（ＣＦＯ）など上級職の少なくとも１人を女性にすべきとしたほか、取締役の少なくとも１人を非白人系少数民族出身者が務めるべきと提言した。

パブリック・コンサルテーションを経て年後半に発効される見込み。１１０６社が対象となり、目標を達成できなかった場合にはその理由を年次報告書で株主に説明することが求められる。

英国の上場企業上位３５０社は取締役会の３３％を女性にするという目標をほぼ達成しているものの、上場企業上位１００社が２０２１年までに取締役に少なくとも１人の有色人種を起用するという目標は達成できていない。

コメント

選択しているユーザー

• 田家 康

  ノンフィクション・ライター、日本気象予報士会

  ・2021年07月29日

  今日的なガバナンスという点から、取締役会の女性比率をルールとして高めるということに違和感はない。
  
  けれども、主たる執行役員について、外から男女の在り方のルールを設定するのはどうかな。この判断は取締役会に委ねるべきだ。

注目のコメント

• 及川 美紀

  株式会社ポーラ 代表取締役社長

  ・2021年07月29日

  実際に企業の動きが進まない中では数値目標は必要だと思います。その数値に到達するために自社には何が不足しているのか、現状をしっかり見ることにつながり、抜擢登用も含めた人材育成をスタートさせる機会になります。管理職以上に役員育成にはさまざまな経験による判断力、人脈、自信の醸成が必要になります。長期視点での人材育成につながることが重要です。同時に自社の同質性に気づく機会にも。
  ただし、数が目的化し数合わせになってしまうと意味がない。自社の体質改善の必要性に気づくかどうかが重要かと。
  世界の潮流を受け止めて日本もさらなるスピード感で女性の意思決定への参画を進めなければならないですね。
  イギリスは女性の取締役30%以上の実現を目指す30%クラブの発祥の地。女性リーダーも数々輩出している国ですからこうした動きは進んでいますよね。
• 武井 涼子

  フェリス女学院大学/ 二期会 教授/ 声楽家

  ・2021年07月29日

  こうしたアファーマティブアクションは必要だと私は思う。今のバランスや最終的な目的を考えたら、それくらいしていいと思うんですよ。
• 石倉 洋子

  一橋大学 名誉教授

  ・2021年07月29日

  この記事では女性を40％にというより、後半にある「取締役の少なくとも１人を非白人系少数民族出身者が務めるべき」という提言に注目しました。取締役会をはじめとして人材の多様性をという場合、女性だけに限らないと思うので。