[26日 ロイター] - JPモルガンは26日、新興国株の今年下期の値動きは先進国株をアウトパフォームすると予想した。新型コロナウイルスワクチン接種の遅れや中国経済の減速懸念、ドル高に絡むリスクが後退する点を理由に挙げている。

過去半年間、MSCIの新興国株指数は先進国株指数を11%下回る動きとなったが、今後は状況が変わる可能性があるという。

JPモルガン・カザノブの株式ストラテジスト、ミスラフ・マテイカ氏は顧客向けノートに「リスク・リワードは再び新興国株有利に転じつつある。われわれは下期に入るとともに、新興国株が先進国株に対して優勢になり始めるはずだと信じている」と記し、既に同社が新興国株を「オーバーウエート」にしたと付け加えた。

ワクチン接種については、年後半にかけてペースが加速して先進国との接種率の差が縮まり、新興国の成長や企業収益を押し上げる力になりそうだ。

また中国が7月に預金準備率を引き下げ、景気回復の先行きに不安が高まったものの、引き下げは経済全体ではなく特定セクターてこ入れを狙ったものになる、というのがJPモルガンの見方。さらに米連邦準備理事会(FRB)の利上げが当面見込めないため、ドルはレンジ相場にとどまり、新興国市場への圧力は和らぐという。

JPモルガンはブラジルに対して強気姿勢を表明し、ワクチン接種の急速な進展により成長率が高まると想定。台湾、インドネシア、タイの株式も推奨した。