2021/7/27

TikTokが火付け役。就活の新常識は「動画履歴書」

INDEX
  • 自己PR動画が大反響
  • Z世代が次々に投稿
  • 動画への移行は「自然な進化」
  • 紙では「個性」が伝わらない
  • 経歴ではなく「将来性」を見たい
  • アルゴリズムへの懸念も

自己PR動画が大反響

「採用担当者の皆さん!」
シアトルの大学生マケナ・イー(21)はTikTok(ティックトック)に投稿した動画で、カメラに向かって大声で挨拶する。「私を雇うべき理由は次のとおりです!」
「自信をもって行動します。整理整頓が好きです。適応力があって、チームプレイが得意です」。自分の長所を説明する彼女の背景に、これまでにインターンシップなどで働いた企業の映像が次々に表示される。
60秒の動画はすぐに18万2000回以上再生され、数百件のコメントがついた。彼女を採用しそうな企業をタグ付けする人もいる。「誰か彼女を雇ってーっ!」というエールも。イーによると15件以上の求人情報が届き、夏のインターンシップの後に応募しようと考えている。
大学生のマケナ・イーがTikTokに投稿した自己PR動画
最近の就職活動では、1ページにまとめた履歴書は、かつてのFAXと同じ運命をたどりつつある。その流れを加速させそうなのが、リップシンク(口パク)やダンス動画でおなじみのアプリを使った「TikTok履歴書」だ。
多くの大学生や新卒者がTikTokを使ってネットワークを広げ、仕事を探すようになったことを受けて、TikTokは求人情報に直接、応募できるプログラムを導入した。
採用する側は人手不足に悩む企業も多く、関心を示している。
チポトレ(メキシコ料理のレストランチェーン)、ターゲット(大手ディスカウントチェーン)、アロー・ヨガ(大手ヨガブランド)、スウィートグリーン(サラダ専門店)など、すでに30社以上がTikTok経由の採用を始めている。
George Wylesol/The New York Times