[香港 21日 ロイター] - 現地メディアによると、香港警察は21日、廃刊となった民主派香港紙「蘋果日報(アップル・デイリー)」の元編集長を逮捕した。中国政府に批判的なメディア王、黎智英(ジミー・ライ)氏が創業した同紙に対する国家安全維持法(国安法)違反を巡る捜査で新たな逮捕者となる。

警察は通常、捜査対象の個人を特定しないが、声明の中で「外国または外国の勢力と共謀して国家安全保障を危険にさらした」疑いで、51歳の元編集者の男性を逮捕したと明らかにした。

蘋果日報の発行元だった香港のメディアグループ、壱伝媒(ネクスト・デジタル)は現時点でコメント要請に応じていない。

蘋果日報を巡っては、6月に本社で大規模な家宅捜索が行われ、主要資産や銀行口座が凍結され、同月24日付の新聞発行を最後に廃刊に追い込まれた。

警察は同紙の記事が国安法に違反している疑いがあるとしている。

2020年6月に制定された同法を巡っては、報道を含む香港の基本的自由を損ねているとの批判がある。