2021/8/1

【亀山×MIYAVI】世界的ロックスターの語られざる「頭の中」

DMM.com 取り仕切り役 会長
DMM.com亀山敬司会長がホストを務める連載企画「亀っちの部屋 Season2」。今回のゲストはロックミュージシャンのMIYAVI氏だ。
MIYAVI氏はこれまでに約30カ国でライブを開催し、8度のワールドツアーを実施。エレキギターをピックを使わずに素手で弾く「スラップ奏法」で名を馳せ、「サムライ・ギタリスト」と評されている。
その活動は、音楽にとどまらない。女優のアンジェリーナ・ジョリーが監督を務めたハリウッド映画『不屈の男 アンブロークン』では、第二次世界大戦中の旧日本軍の軍人・渡邊睦裕を演じて俳優デビュー。
また、ハイファッションブランドのモデルやアンバサダーとしても活躍。2020年には、GUCCIがグローバルに展開するコレクション「Gucci Off the Grid collection」の広告で、日本人の著名人として初めて起用される。
さらに2015年からは難民支援活動に真剣に取り組み、2017年にはUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)日本人初の親善大使に
日本以上に世界で評価されているアーティストと言えるだろう。
そんなMIYAVI氏は、亀山氏と10年以上前からの間柄だという。対談では、世界で感じたさまざまな価値観だけでなく、父親としての一面も見せてくれた。
*音声版は前後編で配信します。こちらからお聞きください【前編】【後編
INDEX
  • 子どもと仕事場に行くロックスター
  • 中国での独特なライブ体験
  • アート活動と生活の間にある葛藤
  • 世界で認められるための原動力とは
  • なぜ、難民支援に取り組むのか
  • 利他主義も自己満足でいい

子どもと仕事場に行くロックスター

──今日はスペシャルなゲストにお越しいただきました。アーティストのMIYAVIさんです。
亀山 MIYAVIと最初に会ったのは、10年以上前かな。映画監督の紀里谷(和明)さんが、一緒に飲んでるときに「すげえイケてるギタリストがいるから」って呼んで来てくれたんだよね。
MIYAVI そうでしたね。
亀山 それから10年経つけど、ちょっとは大人になったの?
MIYAVI はい、おかげさまで(笑)。でも、やってること自体はそんなに変わらなくて、活動は日本と海外を半分ずつという感じです。
あれから拠点をロサンゼルスに移して、音楽だけじゃなくハリウッド映画に出演させてもらったり、ファッションブランドと仕事をしたりもしています。
MIYAVI(みやび)/アーティスト、ギタリスト
エレクトリックギターをピックを使わずに全て指で弾くという独自の「スラップ奏法」で世界中から注目を集め、これまでに約30カ国 350公演以上のライブと共に、8度のワールドツアーを成功させている。2019年7月、ドジャースタジアムで行われた大リーグ始球式では国歌演奏。アンジェリーナ・ジョリー監督映画『不屈の男 アンブロークン』でハリウッドデビューして以降、俳優としても活動する。GUCCIやブルガリなどハイファッションブランドのアンバサダーやモデル、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の親善大使など、その活躍は多岐にわたる。
亀山 最初に会ったときは、もう結婚してたんだっけ。
MIYAVI はい。ちょうど子どもが生まれる頃でした。今は11歳と10歳、そして今年、3人目が生まれたところです。
亀山 じゃあ家族で世界を回ってた感じ?
MIYAVI そうですね。映画の仕事でロンドンやタイに行くことがあったりしても、海外は撮影期間も長いし、家族を呼びやすい雰囲気がある。だから家族を呼び寄せて、世界のいろんなところで子育てをしてきました。
亀山 呼べる雰囲気じゃない場所にもぞろぞろ連れてくるじゃない(笑)。
MIYAVI たしかにこの前、DMMのオフィスにキッズたちを連れて行きましたよね(笑)。DMMは、社屋のエントランスにチームラボのアートがあるくらいオープンだから、連れて行ってもいいかなって。
亀山 ゆるそうな会社だと思って連れてきたんだ(笑)。
亀山敬司(かめやま・けいし)/DMM.com会長
1961年、石川県加賀市生まれ。石川県でレンタルビデオ店を開業後、1998年にインターネット事業に参入。現在、動画配信、ゲーム、3Dプリンター、英会話、FX、太陽光発電、教育事業など、多岐にわたる事業を展開している。
MIYAVI 日本ではアートでもビジネスでも、比較的クリエイティビティとプロダクションがしっかり分かれている。海外はその境界線が比較的ゆるくて、僕はそれが好きですね。
でも日本のビジネスだって、一緒に飲みに行ったりゴルフに行ったりして話が進むじゃないですか。アートであろうがビジネスであろうが、結局は人間と人間のつき合いの中で生まれるもの。
同じように仕事や家族の境界線という意味でも、僕は親として自分の働き方や生き方を子どもたちに見せたいし、それも大事な子育ての一環だと思っています。