タイ、反体制デモで衝突 新型コロナで失策と抗議
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タイ政府は、これまで感染を抑え込んでいたというよりも、事態の把握をないがしろにしてきました。今年になって、外国人労働者の多い工場や市場、スラムで検査をしてみたら毎日何千人もの感染が見つかる、ということが頻繁に起きました。そして、刑務所で検査してみたら半分以上感染していた、といったところがいくつもありました。
そうしているうちに、デルタ株が感染の主流になり、今は毎日の感染確認が1万人、死者が100人を超えるようになりました。
この状況は、プラユット陸軍大将が首相を務める政府にも責任はあります。政府は行動制限を施行し、多くの経済活動が停止されました。7月20日からはさらに行動制限が強化されます。改善がなければ行動制限の強化が続き、9月になっても改善が無ければ「武漢モデル」を導入するとしています。
ワクチンは、国王が保有する会社や財閥の中国との関係で決められている部分が多いのですが、主流は中国製シノバックです。それも、1回接種したのが国民の10%にとどまっています。
野党(タクシン元首相系)は、政府の失政であるとして、攻勢に出ています。今タイで起きているデモは、従来の民主化と反軍政の大学生らの運動の延長上のものでもあります。しかし、今タイで高まっている不満と不安の最大の原因は、明らかに感染拡大と政府の対応の不十分さ、そして強化されつつある行動制限でしょう。
どうもタイ社会は、数か月に渡る高度な行動制限は、おとなしくは受け入れないように見えます。シンガポールやマレーシアのようにはいかなさそうです。変異株の影響もあり、タイのコロナ感染者数が激増しています。日本の緊急事態宣言の時のように20時以降は全てのお店が閉まるなど色々対策をしているようですが、国民の不満は高まっているでしょうね。そしてバンコックの場合は医療崩壊の状況でありながらも、観光地であるプーケットはワクチンを2回接種した外国人観光客を隔離無しで受け入れているので、タイの国民はこのような状況で混乱するのではないかと思います。