[13日 ロイター] - 米金融大手JPモルガン・チェースが13日発表した第2・四半期決算は、純利益が前年同期比155%増の119億ドル(1株当たり3.78ドル)となった。トレーディング事業が振るわなかったものの、貸倒引当金の戻し入れやディールメーキングの活況が追い風となった。

リフィニティブのまとめたアナリストの1株利益予想は3.21ドルだった。

貸倒引当金は30億ドル戻し入れた。引当金戻し入れの押し上げ効果を除くベースでの純利益は96億ドルだった。

ジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は「状況の改善が続いていることを背景に、再び貸倒引当金の戻し入れの恩恵を受けた」としつつも、「中核もしくは経常利益とは見なしていない」との考えを改めて示した。

収入は7%減の314億ドル。

金融市場のボラティリティーが落ち着く中、全体のトレーディング収入は28%減の81億ドルとなった。とりわけ債券トレーディング収入が44%減と、落ち込みが目立った。株式トレーディング収入は13%増だった。

一方、ディールメーキングの活況を背景に、投資銀行部門の収入は34億ドルに拡大。手数料収入も25%増加した。

低金利が響き、消費者部門の純金利収入(NII)は8%減少した。

一方、デビットカードとクレジットカードを合わせた消費額は2019年第2・四半期から22%増加し、支出の回復を示した。

増配に関する質問に対しては、ダイモンCEOは配当を大幅に引き上げるよりも、同社の成長に投資したいとの考えを示した。JPモルガンは先月、第3・四半期の配当金を1ドルに引き上げる方針を示している。

米株式市場で、JPモルガンの株価は約1.5%安で終了した。