2021/7/6

【現地発】まるで洗脳。着々と「改造」される香港の生活

INDEX
  • キング牧師、マンデラが「禁書」に
  • 「見たことのない風景」が続出
  • 義務化される「忠誠心」
  • 中国共産党は「本物の虎」
  • 採用条件は「愛国者であること」
  • 生徒が教師を「監視」する時代
  • それでも抵抗する市民たち

キング牧師、マンデラが「禁書」に

香港とそれ以外の中国を分ける境界は徐々に薄れ、消失の速度は日を追うごとに増している。
中国共産党はその独裁主義的な意思をこれまで以上にあからさまに示すやり方で、かつては活気に満ち、怖いもの知らずだった都市の性格を作り替えようとしている。
中国政府が香港を他の中国の都市のように従順な都市に改変しようとするなかで脅かされているのは、ほかでもない日常生活の感覚だ。
香港の住民は現在、共産党に不忠を働く隣人や同僚を通報するために警察のホットラインに群がっている。
教師は「我が家は中国に」というタイトルの教科書48巻セットを通して生徒に愛国的な熱意を吹き込むよう命じられている。
公共図書館は、マーティン・ルーサー・キング・ジュニアとネルソン・マンデラに関する本を含む数十冊の本を貸し出し図書から外した。
(Lam Yik Fei/The New York Times)