[ワシントン 30日 ロイター] - 米マイクロソフトのトム・バート副社長(顧客セキュリティー・トラスト担当)は30日、米政府が秘密指令を乱用し、米国のインターネットユーザーの膨大なデータを日常的に収集していると明かした。

下院司法委員会の公聴会で、マイクロソフトは過去5年間で年間2400─3500件の秘密指令を受けており、裁判所の監視はほとんど機能していないと指摘。米国の法執行機関はマイクロソフトが受け取ったデータ要求の3分の1から4分の1について口出ししないよう求めており、「日常的な調査でさえ秘密にするよう要求する習慣ができている」とした。

また「マイクロソフトのようなプロバイダーは、法的または事実的に意味のある分析に基づかない形式的な秘密指令を定期的に受け取っている」とし、「これらの命令の多くは裁判所によって承認されるべきではない」と主張した。

司法委はトランプ前政権下の司法省が機密情報の漏洩に関する調査のために記者や民主党議員の電話記録を極秘に入手しようとしていたことが明らかになったことを受け、秘密指令に関する公聴会を開催した。

バート氏は「最も衝撃的なのは、米国人の電子メール、テキストメッセージ、その他クラウド上に保存されている極秘データを対象とした裁判所による秘密指令がルーティン化されていることかもしれない」とし、現行の「確かめもせずに判を押すプロセス」を防ぐために秘密指令に関する基準引き上げを求めた。