【解説】アップルがはまった「中国依存」の大きすぎる代償
- 専門家が懸念していた「中国リスク」
- 中国を「読み誤った」西側諸国
- 企業価値を損なう「妥協」
- 「対価」を要求する中国政府
- アップルのために「山も動かす」
- 行き詰まる「リスク分散」計画
- 「守れない法律」の罠にはまる
- 「貢献度スコア」の獲得に奔走
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アップルの中国依存度は高いけれど、当然そのリスクも考えているでしょう。売り上げは減少するかもしれませんが、撤退できるよう準備は進めているはずです。
それにしても、個人のプライバシーを守る、とコミットしているアップルが、中国人顧客の個人データ、およびそのロックを解除するデジタルキーを、中国政府が所有し運用するコンピューター・サーバーに保存することに同意したとは。恐ろしい。
記事を読む限りAppleはもう引き返せないところまで行ってしまったと判断せざるを得ない。私はiPhoneを使いMacBookを使っているが、クラウドに溜めている大量の音楽データと共に、いつか全てを捨てることになることも覚悟しておこう。
この記事内にも「ニューヨーク・タイムズが5月に報じたとおりだ」と書かれている通り、アップルは2021年5月に中国・貴州省に建設したデータセンターを正式に稼働させました。インターネットの管理を強化する中国の新規制に基づき建設を進めていたものですが、5月17日付けでニューヨークタイムズが、「中国におけるアップルにとってのハードバーゲン」という記事を掲載しています。同記事では、中国でのこととはいえ、中国の消費者のデータを当局に晒すリスクについて批判。暗号化したデータを復元するデジタルキーも米国から中国に移転、中国当局がアップルの同意なくユーザーの電子メールや連絡先などにアクセスしやすい状態にあるとも指摘。さらにはティムクックが政治家のように頻繁に中国を訪問して政府高官と面談していることなども指摘し、中国寄りであることも批判しています。今日の記事ではさらにこれまでの背景を詳しく述べています。
その他の米メディアでもアップルが個人情報の扱いで中国政府に譲歩したのではと報じられており、従来、プライバシー重視の価値観が評価されてきたアップルの姿勢が、むしろだからこそ今、米中新冷戦のなかであらためて問われています。
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