(ブルームバーグ): ピーター・ティール氏らの資産家が支援する仮想通貨交換業者ブリッシュが、特別買収目的会社(SPAC)ファー・ピーク・アクイジションと合併交渉を進めている。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

部外秘の情報だとして匿名を条件に語った関係者によると、ファー・ピークはブリッシュの企業価値を最大120億ドル(約1兆3300億円)として条件を協議している。最終的な評価額はビットコインの価格次第で変わることもあるという。

両社は数週間以内にも合意に達する可能性があると、関係者は述べた。ファー・ピークにはすでに、合併資金の調達で見込まれるPIPE(上場企業の私募増資)への参加について投資家から関心が寄せられているという。この増資規模は数億ドル規模にもなり得ると、関係者は続けた。

ファー・ピークはニューヨーク証券取引所(NYSE)のトム・ファーリー元社長と、ヘッジファンド運営会社サード・ポイントでマネジング・ディレクターだったデービッド・ボナンノ氏が率い、昨年12月に約5億5000万ドルを調達してニューヨーク市場に上場した。

ブリッシュはティール氏のほか、ヘッジファンド運用者のアラン・ハワード氏、ルイス・ベーコン氏が支援するブロックチェーンソフトウエア企業のブロック・ワンが5月に設立。ファー・ピークとの合併が成功すれば、ブロックワン創業者のブレンダン・ブラマー氏にとっては仮想通貨の分散型取引所を確立する上で大きな節目になる。

原題:Thiel-Backed Crypto Exchange Bullish Said in SPAC Merger Talks(抜粋)

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