全従業員の病気を補償、損保ジャパンの企業向け保険
日本経済新聞
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保険商品自体は、単体の団体医療保険というよりも、物損害、休業損失、賠償責任、労働災害などを補償する「事業活動総合保険」に付帯する特約として、役員・従業員の長期就業障害や入院の補償をするもの。その点では生命保険会社の単体団体医療保険と違って損保色が出ていますが、傷害(ケガ)だけでなく疾病(病気)の補償を健康告知なく一括で補償するのは異例です。従業員の年齢構成すら求めず、業種と売上高だけで疾病の発生率をカバーしているのも特色であり、団体医療保険の商品開発を経験していた感覚からすると、驚きの度合いは大きい。
対象が中小企業ということもあり、モラルリスク(重い持病を抱えている人がいる職場で加入)をどうコントロールするのかは知りたいところですが、業種によるリスク管理が中心であることから、事業活動全般のリスクに備えるぐらいの規模で保険料を支払っている企業であれば、従業員の人員構成がそこまで偏ったものになる状態は考えにくいという理屈なのでしょうかね。単品の団体医療保険だと、ここまでは踏み込めないかもしれません。
契約見込みは3万社で保険料100億円。保険料規模で考えれば、企業保険マーケットの中に占める割合は小さい。ただ、3万社という数を3年間で達成するためには営業活動を相当がんばらなければならず、そのための営業推進費用が付加保険料水準に見合うのかも気になるところです。