ウーバー、エアビーも値上げ。「格安エコノミー」の終わり
- 「贅沢」が日常化した10年間
- ブリッツスケーリングの「代償」
- 「黒字化路線」への急転換
- 「生活支援」に依存する若者
- 「出血大サービス」の異常さ
- 「適正価格」のリバイバルへ
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なんというか、個人的には昔から「あったらいいなというのは、なくても良いサービス(商品)」と考えていたのだが、この記事に出ている破綻したスタートアップ企業はどうもその類のようで、やっぱり敬遠すべきなんだなぁと思う。大企業が新規事業や既存商品の大改革で打ち出すコンセプトであればまだしも、スタートアップが、企業のオーナーシップを切り売りして調達した資金を突っ込むのはやはり分が悪すぎる。
とはいえ、立ち上げ当初からどこか大手にBuyoutすることを狙って、その大企業が代わりに新サービスを社会に根付かせてくれるのだとしたら、取り組む価値はあるのかもしれないが、それでもやはり代替が効かないコア層をどれだけ取り込めるかということに尽きるのだと思う。
全く別の視点で、「今日、(マンハッタンの)ミッドタウンからJFK(ジョン・F・ケネディ空港)までウーバーに乗ったら、JFK-サンフランシスコ間のフライトと同じくらい高くついた」というエピソードが載せてあって、ウーバーが高くなりすぎたと皮肉っているようだったが、自分から言わせればJFKからサンプランシスコのフライトが安すぎるというのも歪だと思う。
米国は何度も航空会社は破綻して再編再編の嵐で国の税金が突っ込まれているのにまだ懲りないのかという感じ。米国民がそれでも良いというのならそれまでなのだが、結局スタートアップに限らず、不適正な低価格を打ち出すサービスは巡り巡って社会のどこかが負担しているのだということを肝に銘じておいた方が良いと思う。
シェアをとるまでは、収益を度外視して価格勝負する、という企業の恩恵を受けていた時代は去ったようです。日本はまだしばらくこの恩恵にあずかれるでしょうが。
利益を出さなければ、企業は存続できない。この誰でもわかるロジックを無視できたのは、金あまりで潤沢な投資資金があったから。赤字でもエグジットすれば、キャピタルゲインを得ることができたからでした。
でも、金融緩和はそろそろ手仕舞い。スタートアップへの投資スタイルは変わるでしょう。SPACの買収は危うい。財務状況がボロボロの企業を買収上場させるところが出てきそうです。株式市場も、収益性、成長性をしっかりみるようになってきました。
”本来贅沢なサービスが手頃な価格で提供されている”ことは、どこかに皺寄せが生じているか、後から皺寄せが生じるか、どちらかでしかないと思います。
また、先進国が豊かな暮らしを維持できているのは、”誰かを不当に搾取している or 窮地にいる人の状況を上手く利用している”からであることを認識して、よりよい社会への転換を図って行くべきだと思います。
中国でもライドシェア、シェアサイクル、民泊あたりは値下げ乱発の格安エコノミーは終わりつつあります。利益がでる価格水準にしないと続かないのは当たり前でいつかは価格が上がるのはわかっていたわけですが、むしろ意外だったのは値上げしても客が離れないレベルの独占はあらゆる業種で成り立つわけではないという点。スイッチングコストが低いサービスはドミナントを築いたつもりでも、値段をあげるとあっさり後発サービスにシェアを奪われてしまったり。今考えると当たり前の話ですが、値下げ乱発の全盛期には業界、サービスごとの違いがあまり認識されずに、ともかくシェアとれという論理が横行していたように記憶しています。
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