2021/6/20

ウーバー、エアビーも値上げ。「格安エコノミー」の終わり

INDEX
  • 「贅沢」が日常化した10年間
  • ブリッツスケーリングの「代償」
  • 「黒字化路線」への急転換
  • 「生活支援」に依存する若者
  • 「出血大サービス」の異常さ
  • 「適正価格」のリバイバルへ

「贅沢」が日常化した10年間

数年前、ロサンゼルスに出張した筆者は、道路が混む時間帯に街の反対側まで行くためにウーバーを呼んだ。渋滞で長時間かかることはわかっていたので、60~70ドルの支払いは覚悟した。
ところが、ウーバーのアプリは唖然とするような料金を表示した。16ドルだ。
このような経験は、2012年から2020年初めごろまではよくあることだった。この時期を「ミレニアル世代向け生活支援」の黄金時代と呼びたい。
当時、大都会に住む20~30代の日常生活の多くは、シリコンバレーのベンチャーキャピタリストたちの資金でひそかに支えられていた。
何年もの間、投資家からの「援助」を受けることで、私たちは物価の安い第三世界並みの予算で贅沢なライフスタイルを送ることができた。
私たちはみな、ウーバーやリフトを安い料金で何百万回も利用し、中産階級の王様気分であちらこちらへと移動した。その料金の一部を負担していたのは、これらの会社に投資した投資家たちだ。
(Joe Melhuish/The New York Times)

ブリッツスケーリングの「代償」