三菱地所がラグジュアリーホテル誘致 最後発で参入
コメント
注目のコメント
最近のトレンドですね、ラグジュアリーホテルの誘致は…。
誘致と言っても所有と運営は三菱地所です。ホテル経営というのは、『ブランド』『所有』『運営』を、それぞれバラバラにすることができ、日本古来の三位一体型は、世界ではマイナーかもしれません。
(たとえば、東京の帝国ホテルは三位一体型ですが、虎ノ門のアンダーズは、運営や所有は森ビルで、ブランドが、ハイアットグループです)
それと、日本ではラグジュアリーホテルが少ないと言われていますが、実際、そうです。これも、日本のユニークなところです。
日本はラグジュアリーホテルが少ないのですが、逆に言えば、大衆のための宿泊施設が多いのです。つまりは、日本では、旅が、一部の上級国民のものではなく、『みんなのもの』だったわけです。これは、世界的には珍しいことです。
江戸時代、日本全人口の三分の一が『おかげ参り(伊勢神宮への参拝という名の旅)』をしたといわれますが(ほんまかいな)
世界でそんな国はないというか…旅行というのは、階層社会の上流の人たちのもの、欧州でいえば貴族階層とかのものでした。旅する貴族のためにエルメスは馬具から始まって旅行鞄などを作り富裕層をガッチリ掴んで大ヒットしました。
日本では、お伊勢参りのために東海道五十三次を旅する人には、お金がなければ無いなりの、お金があるならあるなりの、手段が用意されました。
『箱根八里は馬でも越すが、越すに越されぬ大井川』とは言われたものの、大井川を渡らないと伊勢神宮には辿りつけません。
大井川を渡るために、籠に乗って渡るお殿様も、馬で渡る人も、人におぶってもらって渡る人も、なんとか自力で渡る人もいました。
その様子をマルコポーロは、『東方見聞録』に、『日本は旅行先進国だ』と驚きをもって記しています。
極東の、東の果ての島国に、宿場町や街道が整備されて、いろいろな社会階層の人々が行き交う様子は、そのように映ったのでしょう。マルコポーロの言う、黄金の国、という意味は、実際のゴールドではなく、そんな豊かな印象を言ったのではないかと思っています。
話が長くなりました。(^◇^;)
つまりは、日本にラグジュアリーホテル誘致の流れが起こっているのは、インバウンド旅行者が増える中で、今まで、アンディスカバーだった極東の国に、西欧諸国的な価値観の宿が増えていると言うことかと思います。宮古島での三菱地所の開発はほんとすごいです。
宮古島初の国際空港の開港(テスト飛行用の空港であった下地島空港の民間利用化)→周辺開発→空港のある伊良部島(+下地島)の対岸にある宮古島本島側にヒルトン誘致、本島北側の人気区域にローズウッド誘致。
開発に対する賛否はありますが、島が大きく変わる地域開発をしています。これは大資本の役割です。簡単には出来ない国内有数の観光地化へ向けての動き。対して、島民側は自然環境を守りつつどう共存するか?を考える必要があります。
ここ数年の宮古島はめまぐるしく変化しています。ここ宮古島においては、三菱地所の一連のリゾート開発は規模もスピードも群を抜いてます。
下地島のパイロット訓練飛行場をコンセッション方式で運営受託し、国際線およびプライベートジェットでの利用を念頭に空港を整備し、すでに着工中のヒルトンホテルは2023年の夏にオープン予定、続く2024年にはローズウッドホテルをオープンさせる予定で、世界中の富裕層をターゲットにして、まさに「空港からリゾートが始まる」という世界を作りあげようとしています。
コロナ前に15万トン級のクルーズ船が中国大陸からひっきりなしにやってきて、オーバーツーリズムで疲弊してしまった宮古島にとっては、この三菱地所の動きはこれまでの流れを変えてくれるのではないかと地元でも期待が高まっています。
一連のホテル開発の次の一手とは? 三菱地所が思い描く世界を見据えたリゾート開発とはどういうものなのか? これからの動きに目が離せません。