(ブルームバーグ): 東芝は7日、発行済み株式総数の約6%に当たる2700万株を上限に自己株の取得を実施すると発表した。株主還元方針に基づき、適正水準を超えた資本を投資家に還元する。

東芝の発表資料によると、株式の取得価格の総額の上限は1000億円となる。取得期間は8日から12月31日まで。今期(2022年3月期)の業績予想への影響はないとしている。

東芝の株価は自己株取得の発表を受けて午後の取引で一時、前週末比3%高の4785円と4月16日以来の高値を付けた。

また500億円の特別配当実施も同時に発表した。1株当たりの今期配当予想は特別配当分が110円で中間40円、期末40円とした。前期(21年3月期)実績は80円だった。

東芝は4月に就任した綱川智社長兼最高経営責任者(CEO)が株主やステークホルダーとの対話を重視する方針を鮮明にしている。5月には、21年度中に1500億円の追加株主還元を行う方針を決定していた。

株式の取得方法については、自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)による市場買付けと取引一任契約に基づく立会取引市場における市場買付けを組み合わせることを前提に検討。取得した自己株式について、一定以上の自己株は適宜消却を行う予定だ。

東芝が40%を出資する半導体メモリーのキオクシアホールディングスに関係する持分法投資損益は当面、還元の対象外にするとした。

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