若い世代2割以上「治療が必要な抑うつ状態」コロナ感染拡大で
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これは調査手法に問題があり、2割という数値は信用できません。ネット上で回答を集めているため、ネットを見ている人ばかりが集まり、かつこうした症状に関心がある人が回答しやすいというゆがみです。
素朴に考えて若年層の2割が本当に「治療の必要な抑うつ状態」だとしたら、これは巨大な社会問題です。
こうしたサンプルにゆがみのある調査に意味があるとすると、前年に同じようなゆがみで調査したときとの比較です。したがってこの調査から言えるのは、若年層で抑うつ状態と考えられる人の比率が去年と変わらない、というところまでです。発信者は研究者なので、このゆがみには気がついているはずで、こうした発信を放置するのは違和感を感じます。コロナ禍のような高ストレス下では抑うつ気分や不安感を感じる人が増えるのはある意味当然のことです。
しかし、この見出しはミスリーディングで、若い世代の2割以上が治療が必要な「うつ病」との誤解を与えかねません。この"2割以上”という数字はおそらくこの研究における"SPD: Serious Psychological Distress" (重度の心理的苦痛)の割合を示しているものと思います。
この研究には、うつ病や不安障害などの精神疾患の可能性をスクリーニングするための簡易な質問表であるK6が用いられています。
https://www.hcp.med.harvard.edu/ncs/ftpdir/k6/Japanese_K6.pdf
これで高スコアとなった人は抑うつ症状や不安症状の自覚症状が強いことを意味しますが、その全員が必ずしもうつ病というわけではありません。うつ症状を呈する背景には様々な要因があり、うつ症状=うつ病と早合点しないことが重要です。
この調査で高スコアとなった人の全員が必ずしも「治療が必要である」とは言い切れませんが、専門家の診察による「治療が必要な状態かどうかの評価」が必要な状態であるとは言えると思います。
原著はこちら
https://www.mdpi.com/1660-4601/17/24/9382/htm