[リスボン 22日 ロイター] - ドイツ政府は、温暖化対策が不十分な国からの輸入品に価格を上乗せする「国境炭素税」など、グリーン関税を巡る貿易摩擦を回避するため、日米や、場合によっては中国などと「気候クラブ」を結成することを欧州連合(EU)に提案した。

ドイツのショルツ副首相兼財務相は22日、EU議長国であるポルトガルのコスタ首相と会談後、欧州は炭素排出量の削減に向けて共通のルール・基準作りを他の諸国と進める必要があると主張。環境対策は、特にエネルギー集約型産業など欧州企業の競争力に影響を及ぼすとの認識を示した。

ショルツ氏は「どのような対策を講じるのか、今後のグローバル市場の競争を巡る問題をどう回避するのか」について、EU域内で協議するだけでなく、米国、カナダ、英国、日本、中国などにも打診して、共通の対策や原則について協議する必要があると発言。

「そのためには、ある種のクラブ結成について協議することが望ましい。共通の対策を講じようとする人々、互いに競争するのではなく、世界のより良い気候環境のために戦う人々とクラブを結成するというアイデアだ」と述べた。

欧州委員会は6月、環境規制が緩い国による「汚い競争」からグリーン技術への投資を守るための対策を提案する見通し。

EUは国境炭素税の導入を提案しているが、各国が欧州並みの環境対策を講じれば、税導入を回避できると主張している。