2021/5/22

【星野佳路】後継者、生き残り戦略、世界進出。全てを語る

NewsPicks 編集部 映像ディレクター
NewsPicks編集部による番組『デューデリだん!』は、NewsPicksの記者たちが、噂の企業を取材し、経営トップにインタビューする過程を可視化するコンテンツです。

今回の配信で取り上げる企業は「星野リゾート」。もちろん、1on1インタビューには、星野佳路代表が登場します。この記事では、番組の楽しみ方を少しだけ紹介します。
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INDEX
  • 星野リゾートに弱点はあるのか
  • で、未上場企業ってどう調べるの?
  • 「所有」と「運営」を棲み分け
  • 「世界に通用するホテル運営会社」とは
  • インタビューの舞台は『星のや東京』

星野リゾートに弱点はあるのか

コロナ禍で観光業界が甚大なダメージを受ける中、星野リゾートの星野佳路代表は「18ヶ月の経営計画」や「倒産確率」を発表するなど、危機に直面してもなお、稀有なリーダーシップを発揮し続けた”名経営者”です。
さらに、観光業界を救う手段として、地元や近隣への短距離観光「マイクロツーリズム」を提唱するなど、星野代表の存在感と経営手腕に唸らされた1年でした。
株式会社星野リゾート代表・星野佳路(ほしの・よしはる)氏
星野リゾートといえば、「星のや」「界(かい)」など1泊10万円以上する高級ホテル・旅館が有名です。
さらに近年では顧客幅を広げるべく、数千円台から宿泊が可能な「OMO(オモ)」「BEB(ベブ)」などのサブブランドを次々と展開。21年、22年も続々と施設をオープンさせる予定です。
「星野リゾート」公式HPより
コロナ禍によって被るダメージを最小限にコントロールして見せた星野リゾートは、まさに“完全無欠”の印象です。
一方で、「どうやって稼いでいるのか?」「同族経営による会社運営は健全なのか?」「今はまだ顕在化していないリスクは?」などなど。
私たちは星野リゾートの“本当のところ”をあまり知りません。
だからこそ、今回の『デューデリだん!』は、星野代表にとって「耳が痛い」かもしれないことも含めて、真正面から、すべてを聞き出します。

で、未上場企業ってどう調べるの?

今回のメンバーは、NewsPicks編集部の泉秀一デスクと片平知宏記者、そしてインターンの藤村聖子さん(本業は役者)です。
3人は星野リゾートにまつわる資料をかき集め、創業から107年にわたる歴史を現在に至るまでを、入念に調べることから始めます。
今回の『デューデリだん!』最大の問題は、星野リゾートが未上場であること。
これまで取材してきた企業と比べて、公開されている情報が圧倒的に少ないことに、3人は頭を悩ませます。
しかも、1週間後に迫るインタビューの相手は、常に冷静沈着で、ロジカルな語り口が印象的な星野佳路代表です。
番組スタートから4回目、もしかしたら“最強”の取材対象かもしれません。

「所有」と「運営」を棲み分け

これまでの星野リゾートは、経営が悪化したホテルや旅館を再生することで、成長を遂げてきました。
最大の特徴は「運営」に特化したこと。
一部例外はあるものの、星野リゾートは、物件や土地などの不動産をあえて「所有」しない戦略をとり、不動産を「所有」するリスクを最小限に抑えた経営を貫いてきました。
そして、2013年に新しい形で「所有」に乗り出します。それが「星野リゾート・リート投資法人」です。
リート投資法人とは、読んで字の如し。投資家からお金を集めて不動産に投資し、そこから生じる賃料などの収益を投資家に還元します。
星野リゾートが「運営」を、星野リゾート・リート投資法人が「所有」を担う。
星野リゾートブランドは、この両輪で加速度的な成長を遂げてきました。
そして、星野リゾート・リート投資法人は、上場している公開企業。
有価証券報告書など、公開されている情報があるため、記者たちは、この辺りをリサーチの突破口の一つにしようと考えます。

「世界に通用するホテル運営会社」とは

星野代表はこれまで、ことあるごとに「世界に通用するホテル運営会社」を目指すと発言しています。
泉デスクは、どのうような状態をもってして「世界に通用する」と定義するのか、星野代表に聞きたいポイントに挙げます。
NewsPicks編集部・泉秀一デスク
一方、片平記者が注目したのは、リート投資法人の規模です。
現状では、世界で先行するマリオットグループと比較すると、星野リゾート・リート投資法人のREITの規模は10分の1程度。
投資資金の規模が小さいことが、世界進出に本格的に乗り出せないハードルになっているのではないか?と仮説を立てます。
NewsPicks編集部・片平
さらに、注目したのが「北米への進出」。
どうやら、星野リゾートにとって、かなり重要なプロジェクトのようですが、調べた限りでは、当初の思惑通りに進展はしていない様子。
2014年には、初の海外運営案件だったタヒチの 『星野リゾート キアオラ ランギロア( Hotel Kia Ora Resort & Spa Rangiroa)』も、2019年5月に運営受託契約を終了しています。
「世界に通用する」ホテル運営会社を目指しているものの、こうした「海外進出」周辺の現状に課題意識を持っているかもしれない。
記者たちの嗅覚は、そんな仮説を導き出します。

インタビューの舞台は『星のや東京』

5月中旬。片平記者が赴いたのは、東京・大手町のビル群の間にそびえる『星のや東京』。
星野代表から、この場所を指定されました。
いつもより少しだけ強張った背中に、取材用のMacbookとiPad Proやノートを詰め込んだリュックを背負い、おそるおそる歩を進める片平記者。
これまでのリサーチで準備した「海外進出についての課題意識」以外に、もう1つ、どうしても星野代表に直接ぶつけたい質問がありました。
「息子さんに星野リゾートを継がせるつもりはありますか?」
星野代表は、これまで具体的な後継者について、踏み込んだ発言をほとんどしていません。
だからこそ、今この場で、聞いておきたい。
それまで、片平記者の質問に淀みなく答えていた星野代表は、視線をテーブルに落とし、やや長めに間を置いてから、口を開きます。
61歳の名経営者は、何を語るのか。
すべての答えは、動画で確かめてください。
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『デューデリだん!』は、今後も隔週ペースで土曜夜10時に配信していきます。
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