[東京 13日 ロイター] - 日銀が13日に発表した4月の貸出・預金動向によると、銀行・信金計の貸出平残は前年比4.8%増の579兆5743億円となった。新型コロナウイルスの感染拡大で企業の借り入れが活発化した前年の反動で、伸び率は3月の6.2%から大幅に縮小。縮小幅は過去最大となった。

銀行・信金計の前年比伸び率は20年5月以来の低い伸び。内訳では、都銀等の貸出平残が前月の6.7%増から3.9%増に伸びが鈍化。こちらも、過去最大の伸び率縮小となった。3.9%増は20年4月以来の低い伸び率。

地銀・第二地銀は5.2%増から4.6%増に、信金も8.6%増から8.3%増に伸びが鈍化した。残高では信金が76兆4931億円となり、過去最高を更新した。

銀行・信金計の貸出は6%台の高い伸びが続いてきた。日銀の担当者は、前年の伸び率が高かった反動で5月以降も急速に伸び率が低下するとみている。大企業では予備的に借り入れた資金の一部を返済する動きがみられるほか、昨年5月から6月にあった大口の借り入れも返済が見込まれ、残高も減少が続きそうだという。

4月の預金平残は都銀・地銀・第二地銀の3業態計で9.5%増の827兆0387億円となり、再び過去最高を更新した。