(ブルームバーグ): 欧州連合(EU)は30日、米アップルのアプリ決済規定を巡り、同社に異議告知書を送付した。スマートフォンやタブレット端末へのダウンロードに課す手数料を巡る世界的な争いに、独占禁止対策で特に厳しい欧州が加わった。

欧州委員会は異議告知書で、「アップストア」での音楽ストリーミングアプリについて、アップルが「管理者」として市場支配力を不当に利用していたとの見解を示した。

この問題ではもともと、音楽配信大手スポティファイ・テクノロジーがアップルのアプリ内課金(IAP)システムについてEUに苦情を申し立てていた。スポティファイによれば、アップルはユーザーが支払う利用料金の一部を得るために同社の独自IAPを経由するよう求めている。

アップルは競争法違反-スポティファイがEUに苦情申し立て

欧州委のベステアー執行副委員長(競争政策担当)はこの日の記者会見で、アップルが持つ「強大な市場支配力を野放しにすることはできない」と述べ、「アップストアの問題について言えば、今回が最後というわけにはいかないだろう」と続けた。

アップルはEUだけでなく英国やオランダなどでも当局による競争法に関する調査を受けている。

アップルの広報担当者は「スポティファイは利用者の99%以上についてアップルに一切の手数料を支払っていない。アップストアを経由してサービスに加入した残りの利用者について15%の手数料を支払っているだけだ」とのコメントを発表。「アップストアの利点を全て活用したいと望んでいながら、それに対して何も支払う必要がないと考えている」と反論した。

原題:Apple Hit With EU Complaint Amid Fight Over App Store Fees (2)(抜粋)

(詳細を加えて書き換えます)

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