【対談】イノベーションは人類を幸福にするか
コメント
選択しているユーザー
マット・リドレー×山形浩生さん対談、後編です。リドレーといえば「合理的楽観主義」。NewsPicksパブリッシングの通奏低音でもあるこの考え方(近内悠太『世界は贈与でできている』、ディアマンディス『2030年』、クリスタキス『ブループリント』はそれぞれ合理的楽観主義の実践です)について、存分に語っていただいています。リドレーが『ファクトフルネス』の著者、故ハンス・ロスリングに大きな影響を受けていることは今回初めて聞けました。
「コロナ禍の今でもリドレーさんは合理的楽観主義者ですか?」という質問への、リドレーの回答は以下です。
リドレー: 『繁栄』を出版して以来、毎年このテーマで講演を行ってきました。講演中、必ずこういう質問が飛んできます──「言いたいことは分かる。でも今世界で起きていることを見渡せば、楽観的ではいられないはずだ」。
そんな時、私は「なぜですか?」と尋ねています。いったい何がそんなにまずいんでしょうか。たしかにユーロ危機は深刻です。しかし、世界の終わりではありませんでした。乗り越える日はくるでしょう。
エボラ出血熱の流行の時も同じでした。人類の終わりと思うかもしれませんが、 これは今後私たちが対処していく問題であり、いずれ乗り越えられるはずです。シリア内戦も、新型コロナのパンデミックも、気候変動も、同じです。
注目のコメント
「イノベーション」の目的として、幸福に焦点があたっていない限り、イノベーションが人類を幸福にするかどうかはケースバイケースになりますよね。
例えば、ここ20年で生活を大きく変化させ、大きく経済に貢献しているスマートフォンは時代を象徴するイノベーションです。
幸福の観点では、生活をより便利に快適にしている側面と、例えばみんなで集まって食事する際も使用を続けるといった中毒的な使用によって、現実の人間関係を損なうといった負の側面もあります。
幸福は多義的、多面的ではありますが、これまでの研究から「あたたかい人間関係」が、我々の感じる幸福の大きな割合を占めていることがわかっています。
「あたたかい人間関係」が促進されるイノベーションであれば、人類を幸福にできるはずです。私も楽観主義です。
でなければ、旅行業で起業して一年目でコロナ禍に直撃し、もうとっくに心折れていたでしょう。
少子化について分析したことはないのですが、私が子どもの頃よりは、明らかに多くの情報にふれ、子どもたちなりに色んな議論しているのを見ると、知能レベルは底上がってるなとは感じ、子どもが少なくなっている効果と指摘されると、そうなのかもしれません。モノの見方次第ですかね。
未来は明るい。
そう思うと、新しいアイディアも、生きる活力も出てきます。
今日も張り切っていきましょう!マット・リドレー対談の後編のテーマは、イノベーションと幸福について。人類の生活は、さまざまなイノベーションによって、かつてもより豊かで、安全になってきていると私も思っています。そしてこれからも。
という楽観主義を基本に置いているものの、仕事柄、どうしても悲観的なものの見方をする部分もあり、リドレーさんの指摘は痛いところを突かれた思いです。