[ロンドン 23日 ロイター] - 独自動車大手ダイムラーは23日、2021年の利益見通しを引き上げた一方、世界的な半導体不足が第2・四半期の売り上げに引き続き影響する可能性があるとの見方を示した。

同社は半導体について、現時点で見通しは限定されているとしながらも、今年下半期にはやや入手しやすくなると予想した。

今年の営業利益については、半導体不足にもかかわらず、新型コロナウイルス禍からの世界的な景気回復を追い風に、前年を大幅に上回ると見込んだ。

また、傘下の高級車部門「メルセデス・ベンツ」の調整後マージンを10─12%と予想し、従来見通しの8─10%から引き上げた。

ダイムラーは今週、一部半導体部品の世界的な供給不足を理由に、ドイツのブレーメンとラシュタットの工場で最大計1万8500人を対象にした時短を実施し、両工場の生産を一時停止させると発表した。

ハラルト・ウィルヘルム最高財務責任者(CFO)は声明で「頼もしいスタートを切った。今後も持続可能なベースでマージンを改善するとともに、電気自動車のラインナップを拡充できると強く確信している」との声明を発表した。

ダイムラーは先週、メルセデス・ベンツの主力のセダン「Sクラス」で、電動版「EQS」を発表した。電気自動車のシェア争いで、大手米テスラに挑戦する。

メルセデス・ベンツの第1・四半期の中国での販売は60%増加。海外旅行ができない富裕層が可処分所得で高額商品を購入している。

ドイツの自動車大手BMWも今週、第1・四半期決算が新型コロナウイルス流行の影響に見舞われた前年同期から予想以上に回復したと明らかにした。価格上昇と中国での旺盛な需要が要因。