(ブルームバーグ): 米投資ファンドのベイン・キャピタルが日本に特化した1100億円のファンドを設立したことが23日、分かった。ベインが特定国に限定したファンドを組成するのはアジア地域初となる。事情に詳しい関係者が明らかにした。

関係者によると、ファンドは今月初めに設立され、中堅・中小企業への投資に特化する。このファンドとは別に125億円の共同投資資金を活用できるという。ベインの広報担当者はコメントを控えた。

ベインは2006年に日本拠点を開設。キオクシアホールディングス(旧東芝メモリホールディングス)の総額約2兆円での買収を主導するなど大型案件だけでなく、これまでもキリン堂ホールディングスや雪国まいたけなど比較的規模の小さい案件も手掛けてきていた。少子高齢化による事業承継問題や海外市場開拓の必要性を背景に中堅・中小企業の買収機会は増えており、この分野を強化する。

ベインの日本担当マネージング・ディレクターのデイビッド・グロスロー氏は、ブルームバーグの最近の取材で「新型コロナウイルスの影響による不確実性は拭えないものの、日本が投資先として並外れて魅力的だという考えに変わりはない」と強調。20年に企業買収などの専門人材を積極採用し、人員は25%増の50人超となっていた。

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