[東京 22日 ロイター] - ホンダの安部典明常務執行役員は22日、今期の国内販売は前期を上回るものの、70万台を回復するのは難しいとの認識を示した。新型コロナウイルス感染拡大の影響が続くほか、半導体不足も要因として挙げた。

ホンダの2020年暦年ベースの国内販売は、前年比約14%減の約61万9000台。コロナが流行する前の19年は3.4%減の約72万2000台で、2年連続で前年を割り込んでいる。会社として2021年3月期の年度ベースの販売実績はまだ公表していない。

安部氏はこの日開いた新車発表会で、今期の国内販売も「若干コロナの影響がある。半導体の供給不安もある」と指摘。「イメージとしては70万台に近い(販売)計画を作ろうとしていたが、足元の状況からいうと、あまり大きいことは言えないのが現実的で、前期は超えるというくらいのところしかいかないかなと(思う)」と話した。

ホンダがこの日に発表したスポーツ多目的車(SUV)の新型ヴェゼルは、月5000台の販売を計画。安部氏によると、すでに約1万7000台の初期受注が入っているという。半導体不足の影響で生産が遅れ、通常時よりも納車までに時間がかかっているものの、販売には特段影響は出ていないとした。

SUVはここ数年、登録車の中で最も成長しているセグメントで右肩上がりとなっている。ホンダによると、登録車市場全体に占めるSUVの割合は、18年に19%の55万台だったが、昨年は29%の71万台まで拡大した。

安部氏は、軽自動車・小型車・ミニバン、伸長しているSUVの4つを重要なセグメントと位置づけ、「(国内販売)70万台の安定販売を目指す」と語った。

(白木真紀)