(ブルームバーグ): 米アップルが「iPad Pro(アイパッド・プロ)」の新モデルを発表した20日、同社の主要サプライヤー企業がハッカー攻撃を受けた。

ランサムウエア(身代金要求型ウイルス)攻撃のハッカー集団、リビール(REvil)は同日にダークウェブ上のブログに投稿し、台湾の広達電脳のコンピューターネットワークに侵入したと主張。ソディノキビ(Sodinokibi)とも呼ばれる同集団は、アップル新製品の設計図を盗み出したとしている。

広達電脳は主にノートパソコン「MacBook(マックブック)」を生産するアップル主要サプライヤーの1社で、米国のHPやフェイスブック、アルファベット傘下グーグル向けにも同じような製造を手掛けている。

広達電脳はハッカー攻撃を受けたことも認めたが、詳しい説明やどの程度のデータが盗まれたかについては言及を避けた。

同社は資料で、社内の「情報セキュリティーチームが外部のIT(情報技術)専門家と共に少数の自社サーバーへの攻撃に関し対応している」と説明。「最近観察された異常な動きについて関連する法執行・データ保護当局に報告し、意思疎通を常時行っている」とコメントした。

アップルの広報担当者は情報漏洩に関する質問に対しコメントを控えた。ダークウェブは通常のやり方ではアクセスできず、犯罪の温床になっている。

原題:Apple Targeted in $50 Million Ransomware Hack of Supplier Quanta(抜粋)

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