2021/6/2
【伊藤羊一】どん底から這い上がって分かった「仕事の意味」
リーダーシップ育成を熱く語ると言えば、この人。Zアカデミア学長の伊藤羊一氏だ。
今年春から、武蔵野大学アントレプレナーシップ学部の初代学部長に就任し、次世代育成にも本腰を入れる。
『1分で話せ』などの著作は累計65万部を突破し、「伝えるプロ」としての支持も集める伊藤氏だが、20代はつらい低迷の日々を送った。信条に掲げる「人は変われる」につながる仕事の哲学とは。(全7回)
今年春から、武蔵野大学アントレプレナーシップ学部の初代学部長に就任し、次世代育成にも本腰を入れる。
『1分で話せ』などの著作は累計65万部を突破し、「伝えるプロ」としての支持も集める伊藤氏だが、20代はつらい低迷の日々を送った。信条に掲げる「人は変われる」につながる仕事の哲学とは。(全7回)
INDEX
- 無気力な10代の日々
- 舐め腐ったまま社会に出る
- うつを発症
- 初めて仕事に真正面から向き合う
- これが「仕事」か
無気力な10代の日々
僕はもともと本当に意識の低い、ダメダメなサラリーマンでした。
社会人になる前から、やる気のない10代だったのです。
勉強ができた姉を横で見ていて、麻布中学・高校に入学し、好きなテニスに明け暮れていた頃までは、快活で友達も多い優等生タイプの子どもだったと思います。
特にテニスには打ち込んでいて、全国大会に出場したりと結果も出していて、試合相手には後にトッププロになるほどの選手もいました。
転機は高校1年の15歳のとき。学校のテニス部を突然クビにされてしまったのです。学外のテニス活動や同時に楽しんでいたバンド活動で、部活の出席率が低いというのが理由でした。真剣に取り組んでいたテニスの世界から拒絶されたことが、ショックでした。
さらにほぼ同時期に失恋をしました。
15歳の僕にとって、立て続けに起きたこれらの出来事による喪失感は大きく、すっかり心が折れてしまったわけです。「やってらんねーよ」と斜に構えることで、自分の傷から目を背けていました。
友達とつるんでコンパをして遊んだり、バンド活動に明け暮れたり、無気力な日々を過ごしました。