【タケダのR&D戦略】イノベーション・協業・企業買収で「創薬」を変革する
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世界的に医薬品の研究開発費が高騰する一方でその成功確率は低下している環境下においては、医薬品の対象疾患や事業領域を絞り込むことが必要です。絞り込んだ方がR&D、マーケティング、販売等においても生産性が高い。海外展開やM&Aももちろん重要ですが、より重要なのは、自社の強みを明確にして、その方向性のなかでこれらの戦略を実行できるか否か。その中で有望な新薬やパイプラインをもつ企業を買収して自社のポートフォリオを充実させる。売上・利益の規模を拡大させることによって研究開発費を積み増し、新薬の開発力を高めていく。
これらの視点から考えてみると、タケダによるシャイアーの買収や同社の現在のR&Dは合理性の高い戦略であると分析しています。そして、製薬企業のビジネスモデルの中核が、研究開発への投資により新薬を創出、上市し、収益をあげることであることから、これから本当に真価が問われてくるのは、これらの戦略を実際にどこまでやり切ることができるかにあると思います。
武田薬品工業のコスタ・サルウコスCFOは、CFOとして財務に長けているだけではなく、経営戦略やR&D戦略等にも精通している「T字型人材」。幅広い知見と優れた専門性を武器としているコスタ・サルウコスCFO。日本の大企業のCFOもキャリアデザインの在り方などで大いに参考にすべき人物であると思います。
このような視点からも本記事をお読みいただけると幸いに存じます。タケダのCFOコスタさんと、立教大学の田中先生による対談連載の最終回です。今回フォーカスするのは「R&D(研究開発)」。「いかに革新的な薬を作れるか?」が、製薬会社にとって企業価値および株価を左右する要因の一つとなっています。
例えば、定期的に新しい薬をつくれなければ、既存の薬が特許切れをむかえて、ジェネリック医薬品メーカーも同様の薬を作れることになります。すると既存の製薬メーカーは、売上や企業の将来性も不安視されることに繋がってしまう。
タケダはそのような状況をさけるべく、研究開発する領域を特定分野に集中し、そこへM&Aからオープンイノベーションまで、全方位的に資源を投下することで、この数年で一気にパイプラインを広げてきました。
日本では「製薬の巨人」であっても、常に変化しなければ勝てない。そんな強い思いをコスタさんと田中先生の言葉から感じました。10年間の株価パフォーマンスは最悪で、中外製薬と比較すると天地ほどの差があるのだけれど…
武田薬品 7.7%
2012/4/1 ¥3,405 →2021/4/25 ¥3,669
中外製薬 1,008%
2012/1/4 ¥423 →2021/4/25 ¥4,268
https://www.nikkei.com/nkd/company/chart/?type=10year&scode=4502&ba=1
https://www.nikkei.com/nkd/company/chart/?type=10year&scode=4519&ba=1